|
所蔵資料解題 |
[近代朝鮮語トップへ]
ぼくが所蔵している本の解題です.
古い本は全然持っていないのでとりあえずひとつだけ紹介します.
もし,他にも本を買ったら追加していきます.
重刊本≪孟子諺觧≫[맹자언해]

2003年仁寺洞で購入.ハングルで表記されている線装本を一冊くらい持っていたいと思って衝動買いした.値段は学生ということで割引してくれて,思ったより安かった.偽物じゃないと思う.
原刊本の刊年は1590年(宣祖23)と見られる.(原刊本などの解題についてはハングル資料解題のページで書く予定なのでここでは省略します.)四書五経は中央,地方を問わずかなり頻繁に重刊,覆刻などが行われたが,その中のひとつと考えられる.中央では10余回重刊が行われた.
5針の線装本でもともと題簽があった形跡があるが,保存状態が悪く現在の状態ではなんと書いてあったかは不明<左の写真参照:表紙>.14巻7冊のうち第7冊目[巻13,14の2巻1冊]で,巻13は全27張,巻14は全25張で落張はない.
右の写真は巻13第1張の表.写真が小さくてよく見えないと思われるが,巻頭書名は「孟子諺觧」とある.版心書名は「諺觧十三/諺觧十四」となっており,張次表示もある.どちらも版心の右側に表示されている.巻14の25張裏面に刊記がある<左下写真参照>.刊記は「壬戌季春
嶺營重刊」となっている.「嶺營」は現在の大邱.よって,ぼくが所蔵する≪孟子諺觧≫も地方官本のひとつである.홍윤표(2003:54)によると,これと同じ刊記を持つ≪大學諺觧≫の重刊本が現存する.
「季春」は3月.壬戌は1742年,1802年,1862年などがあるが,1862年(哲宗13)に嶺営重刊本の≪大學諺解≫,≪周易諺解≫,≪論語諺解≫,≪書傳諺解≫,≪詩經諺解≫,≪中庸諺解≫が刊行されていることからみて,同時に刊行されたと見るのが妥当と思われる.地方官本についての論文はないが,ソウル大学校所蔵≪孟子諺解≫の異本(中央官本)については韓榮均(1987)がある.また,版心や魚尾を見ても19世紀資料と見るのが妥当と考えられる.
本文の体裁は吐をふった漢文の後に諺解文をのせる形式をとっている.長めの吐は双行になっている.漢字の下には漢字音をひとまわり小さく表記してある.漢字,ハングルともに傍点の表記はもちろんなく,「ㅸ」や「ㅿ」の字母も用いられていない<小さいですが右の写真を参照>.また,(ぱっと見たところ)各自並書には「ㄲ,ㅃ,ㅆ」が,合用並書には「ㅄ」が用いられている.t口蓋音化が起こっていない表記も多く見られる.
最後に書誌事項をまとめて示すと以下の通り.
巻頭書名:孟子諺觧
版心書名:孟觧
巻末書名:孟子諺觧
装幀:線装5針眼釘
版次:重刊本(覆刻本?)
版種:木版本
巻冊:14巻7冊中第7冊13,14巻
張数:13巻27張,14巻25張
落張:無
四周双辺,有界,12行23字
本の大きさ:縦33.8cm,横22.0cm
半葉匡郭:縦23.5cm,横17.5cm?(横は計り間違えたんですが,ものさしがみつからなくて計れません)
版口:白口
魚尾:上黒魚尾
版心題:孟觧[十三,十四](右側半分に表記)
序文:無
跋文:無
刊記:(巻末) 壬戌季春 嶺營重刊
紙質:-----
[このページのトップへ] [トップページへ] [近代朝鮮語トップへ]
[最終更新日時:2006/05/23 21:51:18]